赤ちゃん用フェイスシールドには気がかりな点があります。

赤ちゃん用フェイスシールドという製品ができたようです。そもそもフェイスシールドは医療従事者を感染者の飛沫から守るための物であり一般の方向けではありません。赤ちゃんを守るという趣旨で作られたと聞きますが、私たち小児科医が診療場面で赤ちゃんにこれを使うことはないと思います。まして日常生活で使うメリットは考えにくく気がかりな事柄は沢山あります。

① 赤ちゃんは呼吸数が多く代謝が高いためシールド内の温度・湿度が上がりやすく熱中症になる危険があります。
②赤ちゃんの頬は哺乳しやすいよう発達しているので頬がじゃましてフェイスシールド内に新鮮な空気が入りにくく二酸化炭素濃度が高い呼気を再呼吸する心配があります。
③赤ちゃんは日常的に嘔吐しやすくフェイスシールド装着時は吐乳・吐物で窒息や誤嚥の危険もあります。
④体動でフェイスシールドがずれて鼻などを圧迫しても赤ちゃんは自分でそれをどけられないので摩擦で皮膚が擦れる、最悪の場合は鼻が圧迫され呼吸ができなくなる事も考えられます。他にも鼻や耳を覆うことで音やにおいが分かりにくく、この時期に大切な親子の触れ合いの妨げにもなります。

何とかして赤ちゃんを守ってあげたいという気持ちはわかります。上記の事項もよく理解された上で赤ちゃんに必要かを判断して下さい。

私たち小児科医は赤ちゃん用フェイスシールドをお勧めいたしません。

静岡県小児科医会会長 三田智子

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